プレスリリース

日本を含む気候変動枠組条約附属書Ⅱ国が特大化石賞を受賞

2024年11月22日 アゼルバイジャン共和国・バクー

Climate Action Network Japan

 11月22日、アゼルバイジャンのバクーで開催されている第29回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP29)にて、日本が気候変動枠組条約附属書Ⅱ国(*)の一員として「特大化石賞(Colossal Fossil)(*2)」を受賞した。気候資金の交渉において、気候危機を引き起こした歴史的責任を果たさず、気候変動対策のための資金提供から逃げ続けてきたというのが受賞の理由である。この日は同時に、「本日の化石賞」を議長国アゼルバイジャンが受賞し、また国連気候変動枠組条約締約国会議などの交渉において希望の光となる国々に贈られる「宝石賞」をコロンビアが受賞した。

 「本日の化石賞」は、気候変動交渉・対策の足を引っ張った国に毎日贈られるもので、その国に対する批判と改善への期待の意味が込められている。化石賞を主催するClimate Action Network(CAN:気候行動ネットワーク)は、130カ国の1800以上の団体からなる世界最大の気候変動NGOネットワークであり、世界各地で活動するNGOが受賞者を決定する。

日本の受賞理由についてのClimate Action Networkのプレスリリース日本語訳

特大化石賞:附属書Ⅱ国-オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、欧州委員会(EC)、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ

 COP29が開催されていた11日間にフィリピンを襲った6つの台風によって171人もの犠牲者が出ているあいだ、付属書Ⅱ国はよくぞ夜眠り、自身の義務を果たすことを遅らせ、 阻み、最小化しようとしたものだ。

 これらの国々は、化石燃料のために何千億もの補助金や公的資金をつぎ込んでいる一方で、「私たちには金がない」と言うことしかできないようである。新たな植民地主義のペダルを踏み続ける彼らの試みは、豹の斑点模様が決して変わらないのと同じだ。市場ベースのアプローチや民間セクターによる解決策を「気候変動資金」として売り込むことは、彼らの貪欲なアジェンダに油を注ぐだけで、利益を新たな高みへと押し上げるだけである。そしてそれは、グローバル・サウスを債務の罠に閉じ込め、公平のはしごの底辺にとどまらせ、気候変動の影響に対しより脆弱な状況に追い込んでいる。

 特大化石賞受賞者たちは、汚染と化石燃料の採掘を拡大し続け、公正な取り分をはるかに超えて、グローバル・ノースとグローバル・サウスの何十億もの人々に計り知れない苦しみを与えている。もし政府が国民の声に耳を傾けてさえいれば、こうはならなかっただろう。このままでは、豊かな国々が払おうとしない代償を、世界の最貧困層が負担することになってしまう。

*:気候変動枠組条約で規定される先進国のことで、途上国への資金協力の義務を負う。

*2:「特大化石賞」は今年最も交渉の進展やパリ協定の実施を妨げたと判断された国が選ばれます。

CANについて

Climate Action Network(気候行動ネットワーク、CAN)は130カ国・1800を超える環境NGOの世界的なネットワークです。人間活動が起こした気候変動を、生態学的見地から持続可能なレベルまで抑制するために政府や個人の行動に働きかけています。https://climatenetwork.org/

本日の化石賞について

「本日の化石賞」はドイツのNGOフォーラムによって、1999年にボンで開催された気候変動交渉の場で初めて発表されました。国連気候変動枠組条約締約国会議(www.unfccc.int)などにおいて、CANのメンバーが、交渉の進展やパリ協定の実施を妨げるために「最善」を尽くしたと判断された国に投票します。

宝石賞について

CANは国連気候変動枠組条約締約国会議などの交渉において希望の光となる国々に「宝石賞」を授与しています。

以上

お問い合せ先

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