プレスリリース

COP29にて日本がG7の一員として「本日の化石賞」を受賞

2024年11月5日 アゼルバイジャン共和国・バクー

Climate Action Network Japan

 11月15日、アゼルバイジャンのバクーで開催されている第29回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP29)にて、日本がG7の一員として「本日の化石賞(Fossil of the Day)」を受賞した。G7諸国は温室効果ガス排出の歴史的責任を負っているにもかかわらずCOP29最大の焦点である気候資金(NCQG)の交渉を遅らせていること、歴史的な責任に相応な次期NDCが求められることを理由に受賞した。
 「本日の化石賞」は、気候変動交渉・対策の足を引っ張った国に毎日贈られるもので、その国に対する批判と改善への期待の意味が込められている。化石賞を主催するClimate Action Network(CAN:気候行動ネットワーク)は、130カ国の1800以上の団体からなる世界最大の気候変動NGOネットワークであり、世界各地で活動するNGOが受賞者を決定する。日本政府の方針に世界の市民社会が厳しい評価を下したものだ。

日本の受賞理由についてのClimate Action Networkのプレスリリース日本語訳

COP29 化石賞の第1号はG7へ!

 COP29バクー会議において、最初の化石賞の受賞者となったのは、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、そしてイギリスで構成されるG7諸国だ。G7は20年間にわたり、発展途上国に対して膨れ上がる気候資金の債務を退け続けていたことが、受賞理由となった。
 G7 の国々は、仲間の陰に隠れることができると考えているようだが、市民社会は彼らの戦略を見抜いている。彼らは新規合同数目標(NCQG)の合意に向け、具体的な数値を持たずに、COP29に参加しているのだ。これらの国々は「交渉ブロック」とはみなされないかもしれないが、交渉の進行を確かに「ブロック」してきている。歴史的な排出量の上位10ヵ国に含まれるこの集団は、気候危機に立ち向かうためにすべての国に平等に責任を負わせたいようだ… 彼らのこれまでの活動に関する説明責任は一体どこにあるのだろうか。彼らはむしろ、他国も彼らと同じように罰せられることを望んでいる。

気候変動資金目標のためには公的資金が必要かつ利用可能であるべきなのに、つい先日アメリカは「投資のマルチレイヤー」のなかで、民間資金の投資を利用して利害関係者のためにこっそり利益を得る、資金の「玉ねぎアプローチ」を推し進めた。

気候変動の影響がますます深刻化しているにもかかわらず、G7は何が必要かを理解していないようだ。気候変動の決定的な10年(2020年~30年)の半分を過ぎても、G7諸国は、1.5℃目標を達成し、恐竜のような絶滅を防ぐため必要な行動を阻んでいる。そして、日本はパリ協定の1.5度目標に整合させるため、2035年までに81%(2013年比)の排出削減をしなければならないのだ。

CANについて

Climate Action Network(気候行動ネットワーク、CAN)は130カ国・1800を超える環境NGOの世界的なネットワークです。人間活動が起こした気候変動を、生態学的見地から持続可能なレベルまで抑制するために政府や個人の行動に働きかけています。https://climatenetwork.org/

本日の化石賞について

「本日の化石賞」はドイツのNGOフォーラムによって、1999年にボンで開催された気候変動交渉の場で初めて発表されました。国連気候変動枠組条約締約国会議(www.unfccc.int)などにおいて、CANのメンバーが、交渉の進展やパリ協定の実施を妨げるために「最善」を尽くしたと判断された国に投票します。

以上

お問い合せ先

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