photo by Konrad Skotnicki/Wschod
プレスリリース
COP28にて日本が「本日の化石賞」をニュージーランド、アメリカとともに受賞
2023年12月3日 アラブ首長国連邦・ドバイ
Climate Action Network Japan
12月3日、アラブ首長国連邦のドバイで開催されている第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)にて、日本が「本日の化石賞(Fossil of the Day)」第2位を受賞した(他の受賞国はニュージーランド、アメリカ)。12月1日の岸田首相のスピーチを受け、日本政府が脱炭素化への貢献と銘打って火力発電への水素・アンモニア混焼を国内外で推進していることがグリーンウォッシュであるとして受賞した。
「本日の化石賞」は、気候変動交渉・対策の足を引っ張った国に毎日贈られるもので、その国に対する批判と改善への期待の意味が込められている。化石賞を主催するClimate Action Network(CAN:気候行動ネットワーク)は、130カ国の1800以上の団体からなる世界最大の気候変動NGOネットワークであり、世界各地で活動するNGOが受賞者を決定する。日本政府の方針に世界の市民社会が厳しい評価を下したものだ。
日本の受賞理由についてのClimate Action Networkのプレスリリース日本語訳
日本のグリーンウォッシュ戦略
昨年のCOP27にて世界で最大の化石燃料への公的支援を理由に化石賞を受賞したのに飽き足らず、日本は再び「本日の化石賞」の第2位を受賞しました。岸田首相は日本政府の2つの戦略が「世界の脱炭素化に貢献する」と宣言し、環境にやさしいとアピールしたかったのでしょうが、私たち市民社会は、日本政府の試みが日本やアジアの石炭・ガスを延命しようとしていることを見抜いています。
化石燃料への水素・アンモニア混焼はグリーンウォッシュでしかありません。火力発電所を将来に渡って稼働させ続け、実質的な排出削減にはつながらないどころか、日本のエネルギーの脱炭素化と化石燃料フェーズアウトの可能性を潰してしまいます。
岸田首相は、石炭火力発電所やガス火力発電所で水素・アンモニアを混焼する日本の方針を、真っ当な排出削減対策として掲げ、石炭火力の継続を宣言しました。さらに、アンモニア混焼などを東南アジア諸国に売り込むアジアゼロエミッション共同体(AZEC)構想をさらに拡大する意向を明らかにしました。この日本の方針は化石燃料ベースのエネルギーを固定化させ、東南アジアの国々の化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を遅らせてしまいます。そして、世界全体で再生可能エネルギーを3倍にするという目的の達成をより困難にするものなのです。
CANについて
Climate Action Network(気候行動ネットワーク、CAN)は130カ国・1800を超える環境NGOの世界的なネットワークです。人間活動が起こした気候変動を、生態学的見地から持続可能なレベルまで抑制するために政府や個人の行動に働きかけています。www.climatenetwork.org
本日の化石賞について
「本日の化石賞」はドイツのNGOフォーラムによって、1999年にボンで開催された気候変動交渉の場で初めて発表されました。国連気候変動枠組条約締約国会議(www.unfccc.int)などにおいて、CANのメンバーが、交渉の進展やパリ協定の実施を妨げるために「最善」を尽くしたと判断された国に投票します。
本日の宝石賞について
CANは国連気候変動枠組条約締約国会議などの交渉において希望の光となる国々に「本日の宝石賞」を授与しています。
以上
お問い合せ先
Climate Action Network Japan(CAN-Japan)事務局
〒604-8124京都府京都市中京区帯屋町574番地高倉ビル305気候ネットワーク内
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ウェブサイト: https://www.can-japan.org
E-mail: secretariat@can-japan.org