政府は2月10日に「GX実現に向けた基本方針(以下、GX基本方針)」を閣議決定しました。また、同日にGX基本方針を推進するための「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案(以下、GX推進法案)」を閣議決定し、現在開会中である第211回通常国会に提出しました。
GX基本方針では
- エネルギー安定供給の確保のための取り組み:省エネ、再エネ、原子力活用や水素・アンモニアの導入促進 など
- 成長志向型カーボンプライシング構想:「GX経済移行債」で20兆円規模の先行投資支援や、排出量取引制度・発電事業者に対する「有償オークション」・炭素賦課金等の導入、アジアでのGX推進 など
が盛り込まれています。
また、2月28日には、原子力の活用に関しての束ね法案(GX脱炭素電源法案:脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案)が閣議決定され、こちらも第211回通常国会に提出されました。
これらは脱炭素の推進にはつながらず、パリ協定やグラスゴー気候合意で世界が目指す目標とも整合しません。
閣議決定を受け、CAN-Japanメンバー団体が声明を出していますので、一覧にまとめました。
CAN-Japanメンバー団体による声明一覧
気候ネットワーク
【プレスリリース】気候変動対策に逆行するGX推進基本方針閣議決定への抗議声明(2023年2月10日)
【プレスリリース】原発推進の「GX脱炭素電源法案」の閣議決定への抗議声明(2023年3月1日)
WWFジャパン
【WWF声明】変革(G「X」)の意志なきGX基本方針の閣議決定に抗議する(2023年2月14日)
【WWF声明】拙速な原発方針の転換と実効力に欠けるGX関連法案の閣議決定に抗議する (2023年3月3日)
自然エネルギー財団
GX基本方針およびGX推進法案の閣議決定にあたって(2023年2月14日)
地球環境市民会議(CASA)
「GX 実現に向けた基本方針」の閣議決定に抗議し、閣議決定の撤回を求める(2023年2月22日)
環境エネルギー政策研究所(ISEP)
GX推進政策に対する提言 (2023年2月28日)
参考
経済産業省「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案」が閣議決定されました
経済産業省「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました