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COP23:パリ協定のルール完成へ向け、交渉一歩前進
~タラノア対話で各国の行動引き上げ議論が始まる~

2017年11月18日
特定非営利活動法人気候ネットワーク
代表 浅岡美恵

11月18日明け方(現地時間)、ドイツのボンで開催されていたCOP23(気候変動枠組条約第23回締約国会議)が閉幕した。

今回は、フィジーが、初めて太平洋の島国として議長国を担った。COP23は、議長国に協力しようという雰囲気の中、全ての議題に合意し無事に閉幕した。会議では、タラノア対話の設計についての合意、パリ協定の実施指針に関する交渉の土台となる文書の作成、さらに、2020年までの行動の引き上げになどについて合意した。また、最後まで難航した途上国への支援に関しては、京都議定書に位置付けられている適応基金をパリ協定に位置づけることや、資金拠出の計画についてより予測可能な情報提供のあり方をCOPで検討することで合意した。これらの合意をもって、COP23は予定された作業を終え、成功裏に終わったと言える。

しかし、今回の合意は、いよいよ本格的な仕事に取りかかるための土台とプロセスを作ったに過ぎない。実施指針に関しては、多数の困難な論点について、異なる主張から一つの合意を作り上げるためにすぐにでも交渉にかからなければ、決して間に合わない作業量だ。また、2018年1月から始まるタラノア対話によって、それぞれの国が、パリ協定が求める大幅な排出削減の実現に向けて、行動を引き上げていくことが求められる。当然日本も、2020年までの自国の行動と途上国支援を拡大させ、また2030年目標と支援も引き上げていく準備を始めなければならない。

また、ここボンでは、トランプ政権の影は薄く、米国内でパリ協定を支持し、自ら行動するムーブメントが急拡大している。また、27の国や地域による「脱石炭へ向けたグローバル連盟」が発足し、政治的にも脱炭素化への動きは加速している。日本はこうしたイニシアティブにおいてもほとんど存在感がなかった。さらに、トランプ政権のそれとほぼ重なる日本のエネルギー政策、なかでも国内外での石炭推進方針はここCOPでも厳しく批判され、世界の動きから取り残されている。

「気候変動対策と経済との調和」の時代は終わり、気候変動対策こそが、21世紀経済の基軸となって動き始めている。それこそが、採択20周年を迎える京都議定書の成果といえよう。日本政府は、今後、地球温暖化対策計画と一体的にエネルギー基本計画を改め、石炭や原発から再生可能エネルギーへの大胆なシフトを実現しなければならない。このままでは、日本は本当に、置いてきぼりになるだろう。トランプ政権の対応は日本が対策を怠る口実にはならない。日本は、脱炭素化への舵を切り、具体的行動をより大胆に取っていくべき時だ。

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【プレスリリース】COP23:パリ協定のルール完成へ向け、交渉一歩前進 ~タラノア対話で各国の行動引き上げ議論が始まる~(2017/11/18)

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