CAN-Japanは、7月2日、東京の日比谷図書文化館にて「国連気候変動ボン会議報告会 ~世界は2020年以降の新枠組み合意に向けて動いている~」を開催しました。
少しずつ合意に向けて進む世界と、遅れる日本
6月にドイツのボンで開催されたダーバン・プラットフォーム特別作業部会・補助機関会合の結果について、会議に実際に参加したNGOメンバーが報告しました。報告では、世界の温暖化問題の緊急性や、米中EUなどの主要国が2015年の国際合意に前向きになっていること、一方で日本の温暖化対策には遅れが目立つことなどが指摘されました。また、資金や土地利用といった重要なテーマについて最新動向が共有されました。
「お金のことをお金だけで考える時代は終わった」
また、ビジネスパーソンから絶大な信頼を誇る地球環境問題アナリストの末吉竹二郎さんより特別講演をいただきました。地球・自然がなければそもそも経済が成り立たないことを強調されるとともに、投資家が環境問題も考慮に入れるようになっていることから「お金のことをお金だけで考える時代は終わった」との指摘がありました。また、グリーン産業の可能性についても力強いメッセージがありました。
事実を事実として捉え、問題解決につなげる
最後に行われた質疑応答ディスカッションでは、フロアから、日本の規制政策、アメリカの対策、国連プロセス以外の会議の意味などについて質問やコメントがありました。最後のまとめでは、日本の対策が世界から取り残されていることへの危機感が共有され、事実を事実として捉えた議論を重ね、問題解決につなげようとの呼びかけがありました。
大勢の参加で大盛況
当日は169名の参加があり、大盛況でした!20代から80代まで、老若男女から幅広く参加いただきました。このところ地球温暖化への関心が低くなっている…?との声もありますが、ビジネスパーソンに加え若い人の参加も多く、関心は決して低くないと感ぜられました。参加者アンケートでは、8割以上の方が全体を通して満足、約9割の方が報告などが参考になったと回答しておられました。CAN-Japanでは、今後も気候変動交渉や日本の温暖化対策に関する情報発信・政策提言を通じて、世界の温暖化防止に貢献していきたいと思っています。ぜひこれからもご注目ください。
プログラム
1.ボン会議参加NGOメンバーによる報告
- 「地球温暖化の最新科学と、これまでの国際交渉」
土田道代(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)) 資料 - 「ボン会議(ADP)の結果と今後の交渉の見通し」
小西雅子(WWFジャパン) 資料 - 「気候資金~”緑の気候基金”最新動向~」
小野寺ゆうり(FoE Japan) 資料 - 「2020年に向けた土地利用~森林減少・農業等~」
山下加夏(CIジャパン) 資料 - 「国際社会が求めている日本の温暖化対策」
伊与田昌慶(気候ネットワーク/CAN-Japan) 資料
2.特別講演
- 「世界から取り残される日本の温暖化対策、これでよいのか?~温暖化がもたらすビジネスチャンスとリスクを考える~」
末吉竹二郎さん(地球環境問題アナリスト)
3.質疑応答&ディスカッション
YouTubeで録画映像をご覧いただけます
CAN-Japan各団体による、ボン会議報告会の開催報告ページはこちらです
・気候ネットワーク
http://www.kikonet.org/kiko-blog/2014-07-10/301
・WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activities/2014/07/1212211.html
・コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
http://ci-japan.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html
*この催しは、平成26年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催されました。