昇る太陽、沈む影響力？地球気候政治で自ら孤立を招く日本

2015年4月30日、ヨーロッパの独立非営利団体E3Gは、報告書「昇る太陽、沈む影響力？　地球気候政治で自ら孤立を招く日本（原題”RISING SUN, SINKING INFLUENCE? JAPAN’S SELF-MARGINALISATION FROM GLOBAL CLIMATE POLITICS“）」を発表しました。

E3Gは、地球的規模での持続可能な発展への移行を促進する、公益のための活動をしている団体です。今回の報告書では、同日4月30日に提示された「日本の約束草案要綱（案）」受けて、日本の温室効果ガス削減目標案およびエネルギー政策を批判しています。

同報告の中で、E3Gは、検討されている「2005 年又は 2013 年基準で 24～26％程度の排出削減」はアメリカ、EUの目標案よりも低いことを指摘しています。そのうえで、より積極的な案を示さなければパリ会議において日本は孤立することになり、クリーンエネルギー市場における競争力を大幅に削ぐことになると警鐘を鳴らしています。

また、世界ではアメリカや中国をはじめ世界各国が脱石炭を進め、多くの多国間銀行が石炭への支援を中止していることを説明しています。このような状況の下で日本が石炭火力発電を国内外で推進することは、多くの先進国を敵に回すことになると指摘しています。

そのうえで日本は、今からでも方針を転換することで気候変動に関わる政策を有利に進め、グリーン市場での競争力を発揮することができることを指摘しています。

 

 

参考ページ

Japan’s Self-Marginalisation from Global Climate Change Politics