2015年6月6日(土)

オックスファム報告書発表
G7が進めるべき石炭からの脱却
~気候変動の防止と飢餓削減へ向けて~

オックスファムは、ドイツで6月7日~8日に開催されるG7サミットに先駆けて新たな報告書「G7が進めるべき石炭からの脱却(原題:LET THEM EAT COAL)」を発表しました。

気候変動は、飢餓との闘いにおける最大の脅威です。さらなる気候変動対策が導入実施されなければ、数十年の取組みによって前進を見た飢餓の問題、貧困削減や開発の成果が失われてしまう恐れがあります。

気候変動をもたらす二酸化炭素の最大の排出源は、石炭火力発電です。持続可能性、効率性、さらには採算性の点でも優れている再生可能エネルギーなどの代替案があるにも関わらず、G7諸国は依然として大量の石炭を燃やし続けています。

G7諸国の石炭火力発電所の総排出量は、アフリカ大陸全体の排出量の2倍です。同程度の排出が継続した場合に進む温暖化によってもたらされる被害や適応のコストは、アフリカだけでも2080年までに430億ドル、2100年までに840億ドルと試算されます。また、世界全体では、数百万トンの主要作物生産が失われる見通しです。

本報告書では、適切な規制や政策の導入により、全てのG7諸国が石炭からの脱却が遅くても2040年までには可能であり、早い国では10年内に、日本でも2035年までには、石炭からの脱却を実現できることが示されています。

今年パリで開催される国連気候変動枠組み交渉は大きな節目となります。パリでの会議において進展をもたらすためにも、G7諸国は、ドイツのG7サミットで、明確な政治的メッセージを発信し、リーダーシップを発揮しなければなりません。それは、石炭からの脱却と自国の排出量削減、そして公約した気候変動対策のための資金動員へ向けた具体策の提示に他なりません。

オックスファムは、調査機関E3Gに対して、G7諸国の石炭をめぐる状況を俯瞰する調査を依頼しました。この報告書は、その調査結果と貧困や飢餓に対する気候変動の影響など、オックスファム独自の調査や活動に基づくものです。

(E3Gによる調査結果は、E3Gのウェブサイトで閲覧可能)

注記・出典などは、英語版をご確認ください。
https://www.oxfam.org/sites/www.oxfam.org/files/file_attachments/bp204-let-them-eat-coal-climate-g7-060615-en.pdf

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(特活)オックスファム・ジャパン 03-3834-1556 / media@oxfam.jp (担当:森下)

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プレスリリース(PDF)

報告書「LET THEM EAT COAL